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日本写真史の開拓者、上野彦馬
上野彦馬(1838-1904)は、幕末から明治にかけて活躍した日本初の写真家であり、戦場カメラマンとしてもその名を馳せました。長崎で生まれ、蘭学者の家系に育ち、若くして化学と写真術に情熱を傾けました。その技術と才能は、日本写真史における重要な礎を築きました。
歴史を刻む写真の数々
上野彦馬は、坂本龍馬や高杉晋作など幕末の英雄たちの肖像写真を多数撮影し、これらは今日でも価値ある歴史資料として重宝されています。また、日本初の天体写真や戦跡写真の撮影に成功し、写真技術の多様な可能性を示しました。
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化学から写真へ
上野彦馬の写真術への深い理解と技術は、化学の知識から培われました。オランダ軍医から学んだ舎密学(化学)を基に、自ら感光剤を製造し、湿板写真術を習得。この化学と写真技術の融合は、彼の作品に独自性を与え、後世に大きな影響を与えました。
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- 特徴:本書は、幕末から明治にかけて活躍した日本初の職業カメラマン、上野彦馬の貴重な写真集です。科学を学び、写真の普及に尽力した彼の作品は、幕末の志士たちのポートレートや西南戦争の戦場など、歴史的瞬間を捉えたものから、当時の長崎の風景まで幅広く収められています。カラー特集には彦馬の代表的な作品が紹介されており、彼の写真史における重要な位置を確認できます。
- 見どころ:この写真集の見どころは、幕末の名士や明治時代の高官たちの生き生きとした表情を捉えたポートレートや、日本初の天体写真、戦場写真など、上野彦馬が撮影した多様なジャンルの写真です。特に、彼の風景写真には、150年前の長崎の市街地や製鉄所、造船所など、当時の日本の産業や文化の様子が生き生きと記録されており、歴史的価値が非常に高いです。さらに、上野彦馬の生い立ちや写真に対する情熱、後進への影響など、彼の人物像に迫る内容も充実しています。
写真教育と後進の育成
上野彦馬は、日本で最初期の写真館を開設するなど、写真業の発展に貢献しました。また、富重利平や田本研造ら、多くの門人を育て、日本の写真文化の基盤を築いたことでも知られています。彼の写真教育と技術の伝承は、明治時代の写真文化の発展に不可欠な役割を果たしました。
上野彦馬の生涯と業績は、日本の写真史だけでなく、文化史においても特筆すべきものです。彼の写真は、幕末から明治にかけての激動の時代を今に伝える貴重な証言であり続けています。
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