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ベトナム戦争を捉えた男:フィリップ・ジョーンズ・グリフィスの真実

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ウェールズのフォトジャーナリスト

フィリップ・ジョーンズ・グリフィス(Philip Jones Griffiths、1936年2月18日 – 2008年3月19日)は、ベトナム戦争の報道で知られるウェールズ出身のフォトジャーナリストです。デンビーシャーのリュッドランで生まれ育ち、母親は地区看護師、父親は鉄道会社の監督でした。グリフィスはリバプールで薬学を学び、ロンドンのブーツ・ドラッグストアで夜間マネージャーとして働く一方、マンチェスター・ガーディアン紙のパートタイムカメラマンとしても活動していました。彼は一生独身を貫きましたが、長期的な関係から二人の娘がいます。

ベトナム戦争と『Vietnam Inc.』

グリフィスは1966年にマグナム・フォトの一員としてベトナムに渡り、現地の人々の苦しみを克明に捉えました。その後、アメリカ雑誌が興味を持つジャッキー・ケネディの写真で注目され、その収益でベトナムの報道を続け、『Vietnam Inc.』を1971年に出版しました。この写真集は、戦争の恐怖とベトナムの農村生活を詳細に描写し、アメリカの戦争観に大きな影響を与えました。また、彼は『Dark Odyssey』や『Agent Orange』といった写真集も発表し、その評価を高めました。

視覚的物語の達人

フィリップ・ジョーンズ・グリフィスは、視覚的物語の達人として知られています。彼の写真は、文化とイデオロギーの衝突をテーマにしており、一枚の写真に複雑な意味と感情を込めています。例えば、広島の墓地で迷子になった女性や、ベトナム戦争で傷ついた母親と子供の真っ直ぐな視線を捉えた作品などがあります。また、彼の写真は愛、死、政治、暴力などあらゆる人間の側面に対する皮肉と洞察に満ちており、その深い洞察力が多くの人々を魅了しています。

おすすめの写真集

Dark Odyssey

  • 特徴:
    『Dark Odyssey』は、20世紀を代表する写真家フィリップ・ジョーンズ・グリフィス(Philip Jones Griffiths)による写真とコメント、作家マレー・セイル(Murray Sayle)による伝記的プロフィールを収録した一冊です。グリフィスは、歴史を形成する美しさや残虐行為、儀式、残酷さと慈悲の瞬間を余すことなく捉えることで知られています。本書は、彼が40年間にわたり撮影した驚異的な白黒写真100枚以上を通して、混沌とした世界を探求する回顧展です。彼の写真は、感情と意味の複雑な図式を描き出し、文化とイデオロギーの衝突をテーマにしたものが多く見られます。
  • 見どころ:
    『Dark Odyssey』では、ベトナム戦争で傷ついた母親とその子供の真っ直ぐな視線、広島の墓地で迷子になった女性の呆然とした表情、暗い空の下でグランドピアノに石を投げつける少年の邪悪な喜びなど、強烈なイメージが印象に残ります。これらの写真は、愛や死、軽薄さ、政治、暴力など、あらゆる側面に対して皮肉と深い洞察をもたらします。また、グリフィス自身の切実なナラティブノートも含まれており、彼が140カ国以上を旅して見出した「真実」の概念への懐疑心と畏敬の念が伝わってきます。『Dark Odyssey』は、人類の壊滅と美しさを一望する圧倒的な視点を提供する一冊です。

戦争報道の先駆者とその遺産

フィリップ・ジョーンズ・グリフィスの影響は計り知れません。彼の『Vietnam Inc.』は、戦争報道の歴史において重要な位置を占めており、アメリカのベトナム戦争に対する認識を変える役割を果たしました。また、彼はマグナム・フォトの会長として、多くの若手フォトジャーナリストに影響を与えました。彼の死後、娘たちは彼の遺産を守るために「フィリップ・ジョーンズ・グリフィス財団」を設立し、約15万枚のスライドと3万枚のプリントが国立ウェールズ図書館に収蔵されました。このように、彼の遺産は今もなお、世界中の人々に影響を与え続けています。

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この記事を書いた人

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