伝説の写真家の歩み
コーネル・キャパ(本名:コーネル・フリードマン、1918年4月10日 – 2008年5月23日)は、ハンガリー出身のアメリカ人写真家であり、著名な写真家ロバート・キャパの弟です。ブダペストのイムレ・マダッチ・ジムナジウムを卒業後、当初は医学を学ぶつもりでしたが、パリで兄と合流し写真の道を選びました。1937年にニューヨークに移住し、『ライフ』誌の暗室で働き始め、後に同誌のスタッフ写真家となりました。1974年には、国際写真センター(ICP)をニューヨークに設立し、同センターの初代ディレクターとしても知られています。

時代を超えたキャパの作品
コーネル・キャパのキャリアは『ライフ』誌での活躍に始まり、数々のカバー写真を撮影しました。その中にはテレビパーソナリティのジャック・パーや画家グランマ・モーゼス、俳優クラーク・ゲーブルなどのポートレートがあります。彼の作品は、戦争から日常生活の細やかな瞬間までを幅広く捉えています。1960年の大統領選挙キャンペーンを撮影した『JFK for President』や、ケネディ大統領の最初の100日間を記録した写真集など、彼の作品はアメリカの歴史的重要な瞬間を鮮明に記録しています。

関心を持つ写真家の哲学
コーネル・キャパの写真は「関心を持つ写真家」としての視点から、人々の生活や社会問題に深い関心を寄せています。彼はカメラを「意見を述べ、議論を引き起こし、良心を目覚めさせ、同情を喚起する」ためのツールと捉え、写真を通じて人間の喜びや苦しみを記録しました。特に1956年のエクアドルでの宣教師殺害事件や、アルゼンチンのペロン政権下での抑圧、イスラエルの六日戦争、ソ連統治下のロシア正教会の苦境などを取り上げました。
おすすめの写真集
Wayne F. Miller: Photographs 1942-1958
- 特徴:
この美しいクロス装丁の写真集は、コーネル・キャパの最も知的で思いやりに満ちた、そして形式的に際立つ27枚の写真を収録しています。キャパは「Camera」誌で、「単独の写真は私の得意分野ではない。私の最も効果的な作品は、一連の写真で物語を伝えるものだ」と述べています。しかし、本書に収められた写真は、その物語を超越し、キャパの深い人間理解を示しています。 - 見どころ:
この写真集の見どころは、特定の状況や人物の本質を捉えつつも、普遍的な人間経験と共鳴する写真です。キャパは「関心を持つ写真家」として、人類の理解と福祉に貢献する作品を情熱を持って制作しました。ピーター・フェターマンによる序文とリチャード・ウェランによるイントロダクションが収録されており、キャパの作品とその意義をさらに深く理解することができます。
写真界への永続的な影響
コーネル・キャパは、兄ロバート・キャパの遺産を守り、彼の記憶を大切にしてきました。彼の写真と文章は、20世紀の重要な出来事や人物を記録し、写真ジャーナリズムの発展に大きく貢献しました。また、ICPの設立により、若手写真家の育成や写真文化の普及にも尽力しました。彼はライカ・メダル・オブ・エクセレンスやフランス芸術文化勲章など、多くの賞を受賞し、その功績が広く認められています。