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戦争のリアリティと芸術の融合
ロバート・キャパ(Robert Capa、1913-1954)は、20世紀を代表する戦場フォトジャーナリストです。彼の写真は、戦場の生の瞬間と人間の感情を捉え、マグナム・フォトを共同設立したアンリ・カルティエ=ブレッソンやデヴィッド・シーモアと共に、フォトジャーナリズムの新たな時代を築きました。
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ヨーロッパの中心から世界へ
ハンガリー生まれのキャパは、パリでカルティエ=ブレッソン、アンドレ・ケルテスといった写真家たちと交流し、フォトジャーナリズムの道を歩み始めます。この時代のパリは、芸術と写真の中心地で、彼のスタイルに多大な影響を与えました。
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戦場写真の革命児
ロバート・キャパは、「戦場で最も危険な場所にいるフォトジャーナリスト」として知られ、その写真は戦争の悲劇と現実を伝える力を持っていました。特に「死にゆく兵士」の写真は、戦争の恐ろしさを象徴する一枚として世界中で有名です。ライフ誌やコルニエ誌など、主要な出版社との協力により、戦争報道のスタイルを変えたと言えます。
おすすめの写真集
ロバート・キャパ写真集 (岩波文庫)
- 特徴: ロバート・キャパの写真集は、彼の約7万点にも及ぶ作品群から厳選された約230点を収録しています。スペイン内戦からノルマンディー上陸作戦、そして最期の日々を過ごしたインドシナまで、戦時下の生々しい光景が集められています。さらに、彼のデビュー作である「トロツキーの講演」や、アーネスト・ヘミングウェイ、パブロ・ピカソ、イングリッド・バーグマンなど、時代を代表する人物のポートレートも含まれています。序言はICP(国際写真センター)館長マーク・ルベル、解説はICP学芸員のシンシア・ヤングが担当しています。
- 見どころ: この写真集の魅力は、単なる戦争写真にとどまらないキャパの多面的な視点にあります。彼のレンズを通して捉えられた歴史的瞬間や、文化界の巨星たちのポートレートは、20世紀の激動の時代を生きた人々の生きざまを感じさせます。ノルマンディーの戦場、インドシナの最後の日々、そして文化的アイコンたちの親密な瞬間は、視覚的にも歴史的にも深い印象を残します。キャパの写真は、ただの記録ではなく、当時の世界を生きた人々の心の動きを捉える鏡のような存在です。
キャパの十字架
- 特徴: 「キャパの十字架」は、ロバート・キャパの代表作「崩れ落ちる兵士」の背後に隠されたドラマに焦点を当てた作品です。この本では、キャパがどのようにして「キャパ」としての名声を築き上げたか、そして彼の最も有名な写真がどのようにして撮影されたのかについて深く掘り下げています。著者は、キャパに対する深い共感を背景に、スペイン南部の「現場」を特定し、粘り強い取材を重ねた結果、驚くべき結論を導き出します。この長年封印されていた「真実」が明らかになる瞬間は、読者に強い印象を与えることでしょう。
- 見どころ: この本の魅力は、単なる写真の背後にある真実を追求することにとどまらず、キャパの人生と戦争写真家としてのキャリアに光を当てる点にあります。彼の写真の「迫真性」が引き起こした真贋論争の深堀りは、写真史上の大きな謎の一つを解き明かします。著者の情熱的なリサーチと物語の展開は、読者をキャパの世界へと深く引き込みます。第17回司馬遼太郎賞を受賞したこの作品は、写真愛好家はもちろん、歴史や人間ドラマに興味のある方々にも強くおすすめできる一冊です。
ロバート・キャパの謎: 『崩れ落ちる兵士』の真実を追う
- 特徴: この本は、ロバート・キャパの最も有名な写真の一つである「崩れ落ちる兵士」の謎に迫る作品です。長年にわたる通説を覆し、新たな視点からその真相を探求しています。著者は、スペイン内戦と第二次世界大戦に従軍したキャパの作品に焦点を当て、現地での共同調査を通じて撮影場所を特定し、写真に写っている兵士の身元を推定します。この本は、戦争写真の背後にある真実を探るとともに、戦争と人間の深い関係を掘り下げます。
- 見どころ: 「崩れ落ちる兵士」は、戦争写真の中でも特に有名で、長い間多くの議論を呼んできました。この本では、その写真の撮影背景と真実について徹底的に調査し、新たな事実を明らかにします。読者は、写真一枚に秘められた歴史の謎を解き明かす過程を追体験することができます。また、キャパの写真が世界に与えた影響と、戦争写真が伝える「戦争と人間」のリアルな物語にも注目が集まります。
時代を超えるフォトジャーナリスト
ロバート・キャパは、エルンスト・ハースやジョージ・ロジャーといった同時代のフォトジャーナリストたちと共に、戦争報道のあり方を変えた人物です。彼の作品は、戦争の悲惨さだけでなく、その中に生きる人々の感情や生の瞬間を捉えることに成功しました。キャパの写真は、今もなお多くの人々に感動と啓発を与え続けています。
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