はじめに
写真や映像の世界に興味を持ち、将来プロの写真家や映像作家を目指している皆さん、注目のオーディション「GRAPHGATE(グラフゲート)」をご存じですか?これは、キヤノンマーケティングジャパン株式会社(キヤノンMJ)が主催する、新たな才能を発掘するための画期的なプロジェクトです。本記事では、この「GRAPHGATE」について詳しくご紹介し、写真家を志す方にとっての最高のチャンスである理由をお伝えします。
「GRAPHGATE」の概要と背景
キヤノンは、EOSブランドを始めとする優れた技術と機器を提供し、長年にわたり写真家や映像作家を支援してきました。そして、若手写真家や映像作家の支援を目的としたプロジェクト「GRAPHGATE」が2022年10月に発表されました。このプロジェクトの名称には、「PHOTOGRAPHY」や「VIDEOGRAPHY」から「GRAPH」を、そして「登竜門」という意味を込めた「GATE」が含まれており、「すべての写真・映像作家の入り口」という思いが込められています。
キヤノンの写真文化支援活動の歴史
キヤノンは長年にわたり、写真文化の醸成に努めてきました。例えば、「写真新世紀」は1991年にスタートし、多くの写真家を発掘してきた新人作家向けのコンテストです。これまでに応募者は35,550名、受賞者は1,126組に上り、蜷川実花氏、奥山由之氏、澤田知子氏、梅佳代氏など、現在第一線で活躍する写真家が輩出されています。
しかし、インターネットやSNSの普及により、写真新世紀の役目は終え、次なる一手として「GRAPHGATE」が生まれました。これは、写真や映像の新しい表現を模索する若手作家を支援し、さらなる高みを目指すためのプロジェクトです。
「GRAPHGATE」の特徴とコンセプト
「GRAPHGATE」は、単なるフォトコンテストではなく、写真や映像作家を発掘し、育成するためのオーディション形式を採用しています。重要なのは、作品の美しさや技法だけでなく、「何を見つけ、どう撮るか」という作家の意志を重視する点です。選考プロセスには、作品の提出だけでなく、プレゼンテーションや質疑応答も含まれ、作家のコミュニケーション能力も評価されます。
選考プロセスと支援内容
「GRAPHGATE」では、選考プロセスが独自で多段階です。以下にそのプロセスを示します。
作品とともに作家としての今後の活動計画を記した書類を提出します。
新たに追加されたプロセスで、応募者はポートフォリオを提出し、詳細な審査を受けます。
約20名が進むことができるプレゼンテーション審査。
三次選考で決定した優秀賞・佳作の作品とポートフォリオを東京(キヤノンマーケティングジャパン品川本社)のキヤノンオープンギャラリー1、2で展示します。
優秀賞以上の5名が進むプレゼンテーション審査。ここでは、さらに詳細な質疑応答を通じて、グランプリが決定されます。
支援内容
「GRAPHGATE」の受賞者には、賞金のほか、機材や展示面でのサポートが提供されます。グランプリ受賞者には、1年後にキヤノンギャラリーでの展示機会が与えられ、撮影機材も3年間にわたり貸し出されます。これにより、受賞者は作品制作に集中し、より高いレベルの表現を追求することが可能となります。
第1回「GRAPHGATE」のグランプリ受賞者
2023年に行われた第1回「GRAPHGATE」では、応募総数1,258名の中から、逸見祥希氏が初代グランプリに選出されました。彼の作品『(Un)acceptable Landscapes』は、山梨県北杜市の太陽光発電設備を撮影したもので、エネルギー問題と変わりゆく日本の風景について考えるきっかけとなる作品でした。この作品は、環境保護と再生可能エネルギーの必要性、そしてその影響をテーマにしており、選考委員から高い評価を受けました。
選考委員たちは、逸見氏の作品が持つ社会的意義とその表現力を高く評価しました。梶川由紀氏は「全員にグランプリをあげたい」というほど、選考が難航したことを明かし、品川一治氏は「逸見さんのアプローチが今後向かうべき一つの方向である」と述べました。
選考委員の第一回を振り返った感想と第二回への期待
選考委員の一人である梶川由紀氏は、第1回の選考会を振り返り、「2次選考会で見た参加者たちのプレゼンテーションが、グランプリ選考会では格段にレベルアップしていたことに驚いた」と述べています。さらに、「GRAPHGATEが応募者の成長の場となり、新たな絆を生むきっかけとなったことが嬉しい」との感想を述べています。
品川一治氏も、「写真や映像の質だけでなく、作家の思いを聞くことで、より深い理解が得られた」と語り、第2回では「さらにワクワクするような作品や作家に出会いたい」と期待を寄せています。
千原徹也氏は、「第1回では普段の仕事では関わらないような作家たちと出会えたことが非常に有意義だった」とし、今後も新しい才能と出会い、彼らの活動を支援したいと述べています。
長野智子氏は、「第1回GRAPHGATEは、想定以上にドラマティックな展開となり、プレゼンテーションを通じて作品がより一層輝いた」と振り返り、第2回では「作品が持つメッセージがより多くの人に伝わることを期待している」と語っています。
藤森三奈氏も、第1回GRAPHGATEを通じて多くの才能と出会い、その中で特に心に響いたのは、参加者たちが互いに励まし合い、支え合う姿だったと述べています。「GRAPHGATEはグランプリだけでなく、全ての参加者が注目されるべきコンペティション」とし、第2回でも新たな才能との出会いを楽しみにしています。
「GRAPHGATE」が写真家を目指す人にとって最高のチャンスである理由
「GRAPHGATE」は、次世代の写真・映像作家を支援するための非常に重要なプロジェクトです。以下に、その理由を挙げます。
- プレゼンテーション能力の向上
「GRAPHGATE」では、作品のプレゼンテーションが重視されます。これは、作家が自分の作品をどのように伝え、表現するかを学ぶ絶好の機会です。プレゼンテーション能力は、プロの写真家や映像作家として活動する上で不可欠なスキルです。 - 大規模な支援体制
「GRAPHGATE」の受賞者には、賞金や機材の貸し出し、展示機会など、様々な支援が提供されます。これにより、作家は経済的な負担を軽減し、作品制作に集中することができます。 - ネットワーキングの機会
選考プロセスや展示会を通じて、受賞者は他の作家や選考委員、さらには観客と交流する機会が得られます。これにより、新たなインスピレーションや協力関係が生まれる可能性があります。 - 評価とフィードバック
選考委員からの評価やフィードバックは、作家としての成長にとって非常に重要です。「GRAPHGATE」では、作品の質やプレゼンテーションについて詳細なフィードバックが得られ、次回以降の作品制作に役立てることができます。
まとめ
「GRAPHGATE」は、次世代の写真・映像作家を発掘し、育成するための絶好の機会です。写真や映像の世界に興味がある方、将来プロの写真家や映像作家を目指している方にとって、これ以上ないチャンスです。是非、この機会を活用して、自分の作品を広め、さらなる高みを目指してください。
「GRAPHGATE」は、あなたの才能を見出し、未来への道を開くための登竜門です。第2回は2024年6月5日(水)15:00までの受け付け。自分の作品と情熱を持って、挑戦してみてください。あなたの未来は、ここから始まります。