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飯沢耕太郎:写真評論家としての生涯と影響

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飯沢耕太郎 – 写真評論のパイオニア

飯沢耕太郎(いいざわ こうたろう、1954年3月26日生まれ)は、宮城県仙台市出身の著名な写真評論家です。日本大学芸術学部写真学科卒業後、筑波大学大学院でさらなる研究を重ね、1986年に『「芸術写真」とその時代』(筑摩書房)を出版し、写真評論の分野での地位を築きました。続く『写真に帰れ 光画の時代』(平凡社、1988年)と『都市の視線 日本の写真 1920〜30年代』(創元社、1989年)という三部作で、20世紀前半の日本写真に関する彼の深い洞察が表れています。また、彼は雑誌「deja-vu」の編集長として新進気鋭の写真家たちを積極的に紹介し、写真界に新たな動きをもたらしました。

飯沢耕太郎の写真文化への多大な貢献

飯沢耕太郎は、学術的な業績としては、特に20世紀前半の日本写真に関する研究で知られています。彼の代表作『都市の視線 日本の写真 1920〜30年代』は、その例外ではありません。2008年からはartscapeでの写真集や写真展のレビューを行い、そのレビュー数は1500を超えます。また、彼は40冊以上の著書と60冊以上の共著を持ち、写真文化の普及と理解の向上に寄与しています。写真新世紀の発足にも重要な役割を果たし、キヤノンからの相談を受けて提案・アドバイスを行い、その結果立ち上げられたこの新たな公募展で審査員を務めました。

教育者としての貢献

飯沢耕太郎は、教育者としての役割も果たしています。彼は東京綜合写真専門学校や東京大学で教鞭を取り、写真史だけでなく現代写真のトレンドや理論への理解を深めることに重点を置いて教えています。彼が運営する「めぐたま食堂」ではポートフォリオレビューを行い、若手写真家の才能を見極める場を提供し、APAアワードやふげん社写真賞など、様々な写真賞の審査員を務めることで、業界の新しい動向や才能に触れ続けています。

写真集の本 明治~2000年代までの日本の写真集 662

  • 特徴:日本の写真集662の魅力
    飯沢耕太郎の膨大なコレクションから選ばれた662冊の写真集は、江戸末期のイノベーターから2020年に日本に影響を与えたモンゴルの写真家まで、幅広い時代とスタイルを網羅しています。本書は、希少本や自主出版に光を当て、日本の写真集がどのように編集、デザインされ、印刷されたかを紹介するコレクションガイドでもあります。共著者には若手研究家の打林俊とデザイナーの中村善郎が名を連ねています。
  • 見どころ:『日本の写真集662』のハイライト
    この写真集は、日本人写真家たちが国内外で出版した作品を通じて、写真集という媒体がどのように芸術的表現の場として機能しているかを探求しています。彼らが写真集を「生の器」として捉え、創作活動の集大成と位置づける姿勢が感じられます。多様な視点と独自の感性で作られた、グラフィックデザイナーや編集者との密な協力による作品群を通じて、日本の写真文化の深さと広がりを体感できる一冊です。

写真界への広範な寄与と多様性への課題

飯沢耕太郎が運営する「めぐたま食堂」では5000冊の写真集が保管されており、誰でも自由に閲覧可能です。この開かれたアプローチは、写真文化を一般の人々にも広める大きな貢献をしています。飯沢は、写真新世紀やひとつぼ展など、数多くの写真賞の審査員として重要な役割を担っていましたが、その影響はいまも継続し彼への依頼が集中しています。この依頼の集中は、審査員を選ぶ運営側の知識不足による多様性に欠けた判断に問題がある可能性があります。業界には飯沢だけでなく、鳥原学、タカザワケンジ、上野修など他の有能な写真評論家もいるため、より多様な視点を導入することが、日本の写真を国際的に通用させるためにも重要です。

このブログを通じて、飯沢耕太郎だけでなく、多様な写真家や評論家の声を紹介することで、写真業界のさらなる多様性と深化を目指します。また、写真を志すすべての作家には、自身の作品が写真史の中でどの位置にあるかを理解し、世界の市場を分析して戦略を練ることが重要です。このブログがその一助となることを願っています。

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この記事を書いた人

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