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写真家・今道子とそのルーツ
今道子(こん みちこ、1955年生まれ)は、神奈川県鎌倉市出身の写真家。版画科を卒業後、写真へと情熱を移し、東京写真専門学校を中退。自然に囲まれた鎌倉での育ちは、彼女の作品に自然の素材を用いる美的センスを形成しました。
写真家・今道子の歩み
1984年の神奈川県美術展美術奨学会賞を皮切りに、1987年の東川賞新人作家賞、そして1991年には木村伊兵衛写真賞を受賞。特に「烏賊の内臓と眼球と生イクラ」のような作品は、その異色のアプローチで注目を集めました。
今道子の撮影技術と表現方法
今道子は、食材や日用品をユニークに組み合わせたオブジェを、鎌倉の自邸で自然光を利用して撮影。《蛸+メロン》《キャベツ氏》など、日常に潜む非日常を切り取る独自の技術で知られています。
おすすめの写真集
フィリア
- 特徴:
「フィリア 今道子」は、食材や日用品を融合させたオブジェの魅力を、彼女の自宅の柔らかな自然光の下で捉えた写真集です。初期の代表作から最新作までの100点が収められており、見る者を独自の幻想世界へと誘います。特装版は、美しい造本と作家の言葉を集めた特製栞、さらにサインが入った限定版で、コレクターズアイテムとしての価値も高いです。 - 見どころ:
この特装版には、彼女の40年を超える活動を凝縮した貴重な論考と資料が含まれています。柿沼裕朋による深いインタビュー、中森康文の静物写真としてのラジカリズムに関する洞察など、彼女の作品と思想に迫る内容が充実。限定500部の特装版は、作品集としてだけでなく、写真家今道子の人となりに触れられる貴重なアイテムです。
今道子が後世に遺す美学
今道子の作品は飯沢耕太郎やリスト・ヴィジュアル・アートセンターとの交流を通じて、多くの後進の写真家やアーティストに影響を与えています。彼女の生と死、光と影をテーマにした表現は、世界中の観る者に深い印象を与え続けています。
今道子の作品や写真集は、写真に興味がある中学生以上の読者、特に大学生以上の方におすすめです。その表現の幅広さと深い物語性は、写真芸術の魅力を存分に感じさせてくれることでしょう。